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試乗レポートinもてぎ

キビキビ走れるフォーフォーは、週末の遠出にも、もちろん普段の街乗りにもいいですね。

石川 芳雄

 フォーツーに比べると、ホイールベースが伸びて乗り心地が良くなっていますね。まぁ、フォーツーとフォーフォーを比べてしまうとフォーツーの特殊性が際だってしまいますから、単純には比較できないんですけれどね。今回は、独自のコースを設定して走ってみたんです。メチャメチャ狭い道も走ってみましたし、ワインディングロードにも挑んでみました。狭い道でも車両感覚は全然問題ないですし、普通に扱えますよ。最初、ちょっととまどったのは、パワーウインドーのスイッチが運転席と助手席の間の中央部分にあったりして思わず探してしまった。でも、自分の物になったら慣れるし問題はないと思います。

 ソフタッチプラスのミッションはなかなか良かったですね。2モーターになったと聞きましたが、ATレンジで走るとシフトアップの時に若干のトルクの空白感があるけれど、アクセルをスッと抜けばスムーズに走れます。これはスマートのようなトランスミッションの宿命なわけで、しょうがないと思いますね。特性はフォーツーと比べてもそんなには変わらないと思うんですが、フォーフォーではマニュアルレンジに入れてシフトアップするとすごく良くなっています。劇的に良くなってるんですね。タイミングが詰まってきた感じがあるというか、自動的にアクセルをあおって回転を合わせてくれるんです。ATレンジで走っていても、ガンとアクセルを踏んだ時にはエンジンが立ち上がってくれますから、シフトショックはむしろないです。シフトアップの時だけちょっと感じることですかね。ATレンジでもガンガン走るとリズミカルにショックなく走れます。マニュアルレンジでは、シーケンシャルシフトがすごく楽しいですね。

 3段階の可倒式のシートと相まって、MAX910リットルですか、かなり広い収納スペースですよね。ボクは郊外型の人間なので、つい郊外を目指してしまうんですけれど、フォーフォーは結構スポーティーなクルマでもあるんですね。足まわりは欧州車らしくしっかりしていますから、段差の大きいところではちょっとショックもあって堅さも感じますが、その分ワインディングではしっかり感があるし、エンジンもクルマが軽いので1.5Lの排気量の想像以上にキビキビ走れます。ボクなんかが思うには、週末に遠出してたとえば箱根に行くなんていうのは全くOKだと思いますね。もちろん普段の街乗りもいいと思います。

 インテリアでも、樹脂の上に生地を張った感じも、国産車にはほとんどない雰囲気で目をひくと思います。インテリアは長い間触れていると目にする機会が多いですから気になるところですが、国産のコンパクトカーだと変化もないですからね。スマートはフォーツーでもフォーフォーでもすごくユニークで他にはないテイストがありますよね。それだけでも充分魅力です。

 自分で乗るとしても、普段の街乗りや遠出もOK。ATにマニュアルレンジをプラスしたオート・マニュアル・トランスミッションの感触が1つのキーポイントで、まったく運転したことがない人や反対に慣れている人は問題ないと思います。普通のATに慣れている人にはちょっと違和感があるかもしれないけれど、クルマをある程度理解している人か全く知らない人にはこのオート・マニュアル・トランスミッション方式は欧州で今後広まるATの方式なので、おすすめですね。女性、男性の性差を感じない1台だと思います。

石川 芳雄
石川 芳雄(いしかわ よしお)
 
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